2012年04月11日

楽しい接木は、人間だったら移植手術!

接木は英語ではGrafting(グラフティング)といい、医療の分野では外科の移植手術を意味する。

接木の適期が来ているので、農園の大事な仕事として紹介したい。

野菜や果樹を栽培する農業技術には、「接木」という方法を使って課題(病気など)を乗り越えたり、品種を変えたりする方法が行われている。
接ぐほうの枝を「接ぎ穂」、根がある接がれるほうを「台木」という。
台木には根の力を強めたり、逆に力を弱めたり、病気に強いもの使ったりする。「接ぎ穂」には、生産力を高めたり、品質を向上させたり、おいしい果実の生産させたりする。
この農園では、品種を統一させていくことや品種改良の研究のために行っている。

接木っていう仕事は特に面白い!腕の見せ所なんですね。
重要なポイントは、
@接木の時期、タイミング
A接ぎ穂の確保
B台木の確保
C接木道具の準備と手入れ
D接ぎ穂のカット
E台木のカット
F形成層合わせ
G接木テープでのテーピング
などである。

上の重要なポイントを説明すると、
@作物によってその適期は違いますが、落葉果樹の場合のは夏の暑い時期7月から9月は避ける。キウイフルーツの場合、3月からこの4月に行うんですよ。もちろん柑橘や柿、梅をはじめ、ほとんど果樹はできる。

A良い接ぎ穂の確保は、充実した花芽を持ったものが重要。昨年の春に成長した枝のものが良い。

B台木は力強く、接ぎやすい幹や枝を持っている必要がある。DSCN0059.jpg




C植物の芽や枝を接ぐ仕事のことで、歯研ぎ技術が接木技術の腕前に大きな差が出る。接木の好きな人は誰でも歯研ぎ技術は自分が一番と思っているんですよ。ピッカピッカに顔が鏡のように映るぐらいに磨きますし、ヒゲだって剃れちゃう。
DSCN0133.jpg
私の家では、おじいさんの代から決まった刃物屋さんでノコギリや刃物を手に入れてきている。
それがフィットするんですね。そして、その一本を生涯使うのである。
剪定ばさみ、接木ナイフ、腹接ぎ用ノミ、ノコギリ、ハンマー、接木テープは接木の七つ
道具、写真を見ると六つ道具だけど接木テープが抜けているからご理解を。DSCN0107.jpg

D接ぎ穂のカットは、充実した成長点があるものを使う、ワンサイドの形成層に沿ってカット。ワンサイドを鋭く30度〜40度ぐらいにカットする。接ぎ穂の長さは4cmぐらいが良い。
DSCN0091.jpg
DSCN0089.jpg
DSCN0102.jpg

E台木は、様々な太さに対応する必要がある。苗木育成の場合は、一定の太さでコントロールできるが、成木の品種研究や改良やある程度大きくした木に接ぐ場合は、あらゆる太さの樹木に接ぐ技術が必要である。高接ぎは台木が細ければ接木ナイフのみ、太ければ腹接ぎ用ノミを使う。
DSCN0062.jpg主枝(中心になる枝)だけ残して、結果母枝(主枝に対して垂直に伸びる枝)を全てカットして、主枝を台木として使う。この方法は成木から品種改良をするときに1〜2年早く成木として復帰するからなのだ。
DSCN0114.jpg
この「腹接ぎ用ノミ」はとても特殊で、不思議な道具である。
DSCN0121.jpg






F上下を間違えない。植物は、根から吸収され幹から枝葉に向かって供給される水などの養分と葉から光合成により吸収されて植物の養分になっていく仕組みがあり、それを支えるものは「形成層」である。
「接ぎ穂の形成層」と「台木の形成層」をぴったりと合わせる。
shokub16.gif
DSCN0069.jpg
DSCN0070.jpg






G接木テープでのテーピングは台木と接ぎ穂を固定し、なお且つ雨が降っても水が入らない方法で固定する。また、接ぎ穂から発芽し、新芽が成長していくのも阻害してならないし、新芽が伸びていく際の風等による接ぎ穂のダメージを受けてもならないのである。
DSCN0165.jpg

DSCN0073.jpg

DSCN0139.jpg

一つの台木から同一系統の植物であれば、いくつかの品種を接ぐことができる。
技術といい、後の楽しみといい、接木を覚えることは、面白い技術であるのでぜひお奨めしたい。
DSCN0144.jpg

接木後に活着した様子。


posted by kiwi at 19:05| Comment(0) | TrackBack(0) | ライフスタイル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:


この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。